日経225先物が初めての方へ
日経225先物の特徴
- 少額の資金で大きな取引ができます。
証券会社に差し入れる資金を証拠金といいますが、通常時ですと、実際の取引金額の約18分の1位の金額
になります。
- 売りから取引を始められます。
相場上昇時だけでなく、下降時にも収益チャンスがあります。
- 夜間も取引ができます。
夜間取引はナイトセッションといい、16:30~5:30
が取引時間になります。ナイトセッションの取引は翌営業日の扱いとなります。例えば、
金曜日のナイトセッションでの取引は月曜日が休日でない限り、月曜日の取引となります。
- 金利や貸株料がかかりません。
先物取引のコストは手数料と消費税のみで、貸借取引(信用取引)のような金利や貸株料は
かかりません。先物取引でも、貸借取引でも売りから取引を始められますので、両者は混
同されがちですが、似て非なるものです。先物は現物がなく、貸借は現物を前提としてい
ます。そのため、貸借取引は空売りの株券が不足すると生命保険や銀行から株券を借りて
来るので、貸株料がかかります。一方、空買いの場合は証券会社または日本証券金融から
融資を受けるので金利が発生します。
- 取引期限があります。
取引期限までポジションを保有した場合、
SQ価格により自動的に決済されます。
- 特定口座は使えません。
つまり、確定申告が必要になるということです。詳しくは税金と会計処理
をご覧下さい。
日経225先物の仕組み
- 証拠金取引
証拠金額は株式会社日本証券クリアリング機構が毎営業日公表し、ナイトセッションから
適用されるVaR方式証拠金額を基準に各証券会社が決定します。VaR方式証拠金額について
は取引証拠金をご覧下さい。
- 決済方法
決済方法は反対売買とSQによる決済があります。決済は「売値-買値」による差金決済
によって清算されます。余談ですが、全ての先物取引が差金決済とは限りません。債券先
物や商品先物は、最終売買日超過後の未決済玉は現物決済が行われています。
- 特別清算指数(SQ)
最終売買日を過ぎても、未決済の玉はSQ価格により自動的に決済されます。SQ価格と
は、算定日の各銘柄の寄付価格によって計算されます。日経平均株価の寄付とは異なる価
格となります。それは日経平均株価の寄付は個々の銘柄が寄付いていない場合、前営業日
の終値によって計算されるからです。尚、最終売買日の15:15を過ぎると未決済玉があっ
ても証拠金は解放されます。つまり、その日のナイトセッションでの新規建玉に担保とし
て使われていた証拠金が使えるということです。但し、未決済玉に評価損がある場合は概
算清算金額(かなり多め)を差し引いた証拠金となります。
- 限月取引
取引期限の月を限月と呼び、3の倍数月が限月となります。各限月は別々の銘柄として扱
われます。期限がなるべく先の方が時間的余裕があっていいように思われますが、取引量
は一番近い限月に集中する強い傾向があります。
- 代用有価証券
証拠金は現金でなくても、他の有価証券で代用できます。以下の表は日本証券クリアリン
グ機構により2020/10/05より施行された代表的な有価証券の掛目です。
有価証券 | 掛目 |
日本国債 | 99~91% |
米国財務省証券 | 95~87% |
地方債 | 99~92% |
円建外債 | 99~97% |
公社債投信 | 85% |
転換社債等 | 80% |
株式及び株式投信 | 70% |
倉荷証券 | 70% |
USドル | 95% |
ただ、証拠金は100%現金にすることを強くお勧めします。理由は暴落時に先物のポジシ
ョンが買いだと、代用有価証券も値下がりするでしょうから、急速に資産が目減りするこ
とと、もう一つ追加証拠金は現金でなければないけないからです。尚、債券の場合、99~
91%の様に幅がありますが、これは残存期間の違いです。残存期間が短い債券は殆ど価格変
動しませんが、30年程あれば、市場金利の変化で大きく債券価格は変わります。従って、
残存期間の長い債券については掛目が厳しくなっています。また、倉荷証券とは商品先物
取引の現物のことです。
- 追加証拠金
証拠金不足となった場合、証拠金不足が発生した翌営業日の正午(12:00)までに、追加の
証拠金を差し入れる必要があり、且つ現金でなければなりません。何故現金なのかと言え
ば、先物及びオプションの決済は取引日の翌営業日(t+1)なのですが、株式等は翌々営業日
(t+2)なのです。よって、損が出ているので先物を返済して決済してから、同日にその損金
充当のため株式等を売却しても先物の決済日には間に合わないからです。因みにナイトセ
ッションでの取引の決済は翌々営業日となります。しかし、ナイトセッションの時間帯で
は株式等の市場は閉まっていますので、やはり決済日には間に合いません。
日経225先物の売買の実際
【売り → 買いで決済】
- 預り金から証拠金に振替
預り金:500万円 証拠金:0円 → 預り金:300万円 証拠金:200万円
- 17,090円で2枚売り、その後16,190円で2枚買い返済
(17,090 x 1,000 - 330) x 2 = 34,179,340
(16,190 x 1,000 - 330) x 2 = 32,379,340
34,179,340 - 32,379,340 = 1,800,000
- 決済後の状態
預り金:300万円 証拠金:380万円
- 330円は手数料です。
【買い → SQ決済】
- 預り金から証拠金に振替
預り金:500万円 証拠金:0円 → 預り金:300万円 証拠金:200万円
- 17,410円で2枚買い、17,282円で2枚SQ自動売り返済
(17,410 x 1,000 - 330) x 2 = 34,819,340
(17,282 x 1,000 - 330) x 2 = 34,563,340
34,563,340 - 34,819,340 = -256,000
- 決済後の状態
預り金:300万円 証拠金:174.4万円
- 330円は手数料です。
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