祝日取引

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大阪取引所及び東京商品取引所で、2022/09/23(秋分の日)より先物・オプションの祝日 取引が開始されました。一方で、株式の現物取引は休場です。それに伴い、留意しなけれ ばならない点や弊店の対応についてご説明致します。


祝日取引開始の背景

日本人はバブル時代economic animalと呼ばれ、「日本人は働き過ぎ」という批判を躱 すため、日本政府は政策的に祝日を増やしました。結果、先進国では断トツに祝日が多い 国となりました。一方で、日本で休場日に他国の金融市場で急変が起きると対処できない という批判も発生しました。

また、ナイトセッションでは現物取引はありません。ですが、立派に機能しています。 この様な現状を鑑みれば、先物・オプション祝日取引を行うにあたって、現物取引は休場 にするという判断が正当化されたと推察されます。

今一つ、隠れた背景があります。それは証券会社の個人営業で、先物・オプションを扱 っている人は、殆どいないということです。法人営業はチームで担当するので、祝日を含 めたシフト制にすれば対応できます。しかし、個人営業ではそうはいきません。ネット証 券を使わず、対面取引をしているということは、顧客がその営業員の意見を必要としてい るからです。そうなると、その営業員は先物・オプションの取引日は1日も休めなくなり ます。当然、労働基準法違反です。ですが、手数料の自由化以来、ネット証券に株式や先 物・オプションの顧客を奪われ、今では対面営業は仕組債と投信しか売らない偏った営業 なっているのが現状ですので、祝日取引に支障ないと判断されたのだと思います。


2024~2025年の祝日取引日

年号 日付 曜日祝日名 実施有無確定/予定
20241/1 元旦 実施無確定
1/2 年始休業日 実施無確定
1/3 年始休業日 実施有確定
1/8 成人の日 実施無確定
2/12 建国記念の日の振替休日実施有確定
2/23 天皇誕生日 実施有確定
3/20 春分の日 実施有確定
4/29 昭和の日 実施有確定
5/3 憲法記念日 実施有確定
5/6 こどもの日の振替休日 実施有確定
7/15 海の日 実施有確定
8/12 山の日の振替休日 実施無確定
9/16 敬老の日 実施無確定
9/23 秋分の日の振替休日 実施有確定
10/14スポーツの日 実施有確定
11/4 文化の日の振替休日 実施無確定
12/31年末休業日 実施無確定
20251/1 元旦 実施無予定
1/2 年始休業日 実施無予定
1/3 年始休業日 実施有予定
1/13 成人の日 実施無予定
2/11 建国記念の日 実施有予定
2/24 天皇誕生日の振替休日 実施有予定
3/20 春分の日 実施有予定
4/29 昭和の日 実施有予定
5/5 こどもの日 実施有予定
5/6 みどりの日の振替休日 実施有予定
7/21 海の日 実施有予定
8/11 山の日 実施有予定
9/15 敬老の日 実施無予定
9/23 秋分の日 実施有予定
10/13スポーツの日 実施有予定
11/3 文化の日 実施有予定
11/24勤労感謝の日の振替休日実施有予定
12/31年末休業日 実施無予定

取引日と追加証拠金

祝日取引の取引日については、祝日取引実施日直前の平日に開始するナイト・セッショ ン(祝日前営業日)及び祝日取引実施日直後の平日(祝日翌営業日)のデイ・セッション と同一の取引日として扱われます。つまり、祝日取引における祝日中に追加証拠金が発生 することはないということです。すこし、分かり難いので、以下の図をご覧ください。

日付 4/264/274/284/294/30
曜日
平日/祝日 平日祝日平日
デイ・セッション取引日 4/26- - 4/304/30
ナイト・セッション取引日4/30- - 4/305/1

祝日取引は月曜日が多いので、2024/04/29(月)を例にしました。上図を見て分かるよう に、4/26のナイト・セッションから4/30のナイト・セッションまで、一体として扱われて います。休日に銀行送金はできませんので、こうせざるを得なかったのでしょう。

とは言え、5月の連休や年末年始の様に休日が続く場合に、海外の市場が一方的に動く と、休み明けに巨額の追加証拠金を請求される可能性は否定できません。それについてネ ット証券各社の対応を調べたところ、日産証券のみ証拠金事前割増制度がありました。 その概要は、以下のようなものです。

祝日取引日日数SPAN証拠金額
に対する割増額の割合
1 20%
2日連続 25%
3日連続 30%

これは祝日取引が開始された2202/9頃のものなので、証拠金がSPAN方式(現在はVaR方式 )になっておりますし、更に、現在では日産証券は先物取引から撤退されたようです。取引 所のサイトにはこれに関する記述はありませんでしたが、日本証券クリアリング機構には ありました。同機構には事前割増制度の数値を幾らにしろとの記述はありませんが、事前 割増制度を設けるとはっきり言っています。勿論、同機構の役目は清算を円滑にすること なので、対金融機関への記述です。ですが、これは対顧客にも言えることです。上記割増 率が妥当であるどうかはわかりませんが、休日が連続する場合は、ポジショ ンを控え目にする等の投資家自身の対応が必要だと思います。


弊店の対応

ここまでは祝日取引制度の概要です。本ページの本題はここからです。弊店のシステム は分析対象が先物価格ではなく、日経平均株価なのです。しかし、祝日取引では現物取引 はないので、日経平均株価は存在しません。それについてどうするかというのが、本ペー ジの本題です。

何故、分析対象が日経平均株価なのか

先物には限月があります。そして、必ず限月間spreadが存在します。先物価格の連続性 を保つには、このspreadを消去する必要があります。それには、現物の日経平均株価が適 していると弊店は考えるからです。一応、王道としては、過去に遡って、限月交替の都度、 価格修正することで連続性を担保することはできます。しかし、この方法を用いると、連 続先物価格がマイナスになることも稀ではありませんので、非現実的です。

結論として、疑似日経平均株価を使用

いろいろ検討した結果、疑似日経平均株価を算出し、それを分析することとしました。 疑似日経平均株価の算出法ですが、祝日前の3営業日の現物の4本値と先物の4本値の価格差 の平均を計算し、その中値をその時点のspreadとし、祝日取引の先物価格からspreadを差 し引いて疑似日経平均株価を算出します。具体例を挙げますと、以下のようになります。

日付 open high low close 合計
デイ・セッション2024/6限2024/4/2438020 38470 37990 38440
日経平均株価 37871.9238460.0837857.4738460.08
spread 148.08 9.92 132.53 -20.08 270.45
デイ・セッション2024/6限2024/4/2537940 38050 37590 37610
日経平均株価 38065.9138129.5337604.2337628.48
spread -125.91 -79.53 -14.23 -18.48-238.15
デイ・セッション2024/6限2024/4/2637850 38120 37570 37900
日経平均株価 37725.6138097.5437550.7037934.76
spread 124.39 22.46 19.30 -34.76 131.39

合計の中値は131.39で、その1/4の32.85が平均のspreadとなります。

日付 open high low close
デイ・セッション2024/6限2024/4/2938340 38750 38300 38530
spread 32.85 32.85 32.85 32.85
疑似日経平均株価 38307.1538717.1538267.1538497.15



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